預貯金も遺産分割の対象になります

遺産分割の対象

家庭裁判所で、遺産分割調停や審判を行う場合に、全ての遺産が対象になるものではありません。例えば、金融機関に対する預貯金については、原則として、遺産分割の対象とはならないとされてきました(最高裁判所平成16年4月20日)。

これは、預貯金は、相続発生と同時に相続分に応じて当然に分割されて各相続人が取得するものであるから、とされてきました。ただ、各相続人が分割の対象にすることに同意すれば、分割の対象となるとされていました。

ところが、最高裁判所は、判例を変更し、預貯金についても、遺産分割の対象とすると判断しました(平成28年12月19日、平成29年4月6日判決)。

大抵の場合、預貯金という相続財産もあると思いますので、この判例の変更が実務に与える影響は大きいものといえます。


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遺産分割調停と審判

家庭裁判所では、遺産分割調停と審判が扱われますが、通常、調停を行い、話合いが付かない場合に審判になるという流れです。

遺産分割調停では、通常、2名の調停委員が当事者の話を聞くことになりますが、調停委員はどちらの当事者の味方でもありません。弁護士が代理人となって、調停の申立てを行なったり、調停に出席することもよく行われます。

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電話会議による遺産分割調停

相手方が遠隔地に居住している場合、原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てますが、そのような場合、電話会議による遺産分割調停を行うことが出来るようになりました。詳しくはこちらをご覧下さい。

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